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おはようございます!大阪南船場の「お節介」税理士@野口たかしです。
朝は少し涼しいですが、お昼になると、結構暑くなりますね。
春から夏へ向かっている感じ。
そういえば、5月からはクールビズに。私もネクタイを外して出勤しています。
皆さんは、いかがお過ごしでしょうか?
さて、シリーズでお伝えしてきました「電子帳簿等保存法に備える!」も、今回が最終回となります。
これまで、ファイルの整理方法を解説してきましたが、そもそも、そのファイル(取引先からの電子データ)は、メールで送付されるわけです。
そのメールを整理しておかないと、ファイルの整理がおぼつかなくなってしまいます。
なので、今回は、受信したメールの整理方法についてご説明したいと思います。
皆さん、何らかのメールソフトを使われていると思います。
私は、officeをインストールしているので、outlookを利用していて、多くのユーザーが当該ソフトを利用しているのではないでしょうか。
ということで、outlookで、メールをどのように整理するか、解説いたします。
(Gmail等も、同様の機能がありますので、それは、ご自分でお調べいただければ幸いです。)
まず、メールを整理するために、取引先(送信者)ごとにフォルダを作成しましょう。
作成は簡単です!
outlookの左側に「受信トレイ」が表示されていますよね。
そこを、右クリックして、「フォルダの作成(N)」を選択して、取引先名を入力しましょう。
この画面では、大阪商工会議所から送信される「b-mail」をフォルダ名としています。
↓
次に、整理したい受信メールを選択した上で、outlookの上段メニューにある「ルール」をクリックします。
プルダウンメニューの中から、「仕分けルールの作成(U)」を選択してください。
↓
そうすると、ポップアップされたメニューが出てきます。
⓵、⓶のボックスをチェック、最後に⓷の「フォルダの選択(L)」をクリックしします。
↓
以上の操作で、仕分けルールが作成されます。
過去に受信したメールも作ったフォルダに移動させたければ、「現在のフォルダーにあるメッセージにこの仕分けルールを今すぐ実行する」にチェックを入れましょう。
↓
以上、3回に分けて、電子帳簿等保存法に対応するための、電子データの整理方法を解説いたしました。
順番が逆になりましたが、今回の受信メールの仕分けルールの定義を、まずやっていただき、その上で、受信メールに添付されたファイルの名前に「日付」を付けて保存。更に、ファイル一覧をエクセルで作成しておけば完璧だと思います。
いずれにしても、日々の取引を小まめに整理しておく必要があり、私的には、「紙で印刷してファイリングする」という従来の整理法の方が負担が少ないのではないかと思っています。
現在、デジタル庁では、「電子インボイス」が検討されていて、それが導入されれば、取引データ、取引先との決済、会計処理が自動化されるようですが、すべての取引が電子化されることは無く、まだまだ「紙」も残っていく=電子と紙が共存していくわけで、何度も言いますが、今から準備しておかないと大変なことにおるのではないかと危惧しています。
こんにちは!大阪南船場の「お節介」税理士@野口たかしです。
GWも終わり、久しぶりのお仕事で、少し憂鬱な方もおられるのではないでしょうか。
私は、GW中、税理士仲間と淡路島でBBQ、カミさんと舞鶴へドライブと、それなりに楽しんできました。心も身体もリフレッシュ!?
さて、前回は、電子帳簿等保存法について、ファイル名に日付を付加する整理法をご紹介しました。
ただ、取引が多く、ファイル名の変更だけだと、なかなか見つけにくいという事業者の方もおられると思います。
そこで、今回は、保存しているファイルを一覧にしてエクセル形式で保存する方法をご紹介したいと思います!
前回のブログで、電子帳簿など保存法の要件として、「真実性の確保」と「可視性の確保」があると申し上げました。
一覧にすると以下のとおりです。
特に、可視性の確保については、「取引日付により検索できること」という条件が付されています。
「取引日付」については、前回のブログで紹介した通り、ファイル名の頭に日付を付加することでクリアできるわけです。
更に、「2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること」という条件も付されています。
この「2つ以上の任意の記録項目」を具体的に考えてみると、
フォルダ名(取引先名) + ファイル名(取引内容)
という2つの項目が挙げられます。
取引先が多い場合は、1つのフォルダに全ての取引ファイルを保存するのは得策ではないと思います。
やはり、取引先ごとにフォルダを作成し、取引ファイルを保存した方が良いと考えます。
では、保存したファイルをどうやって検索すれば良いか?
ネットを検索すると、マニュアルの操作でファイル一覧を作成する方法がアップされています。
しかし、マニュアルでいちいち一覧を作成するのは面倒。。。
そこで見つけたのが、「アイアン・エクスプローラー」というフリーソフトです。
開発は結構古いですが、十分使えると思います!!
https://www.teppi.com/free/ironexplorer
ホームページからZIPファイルをダウンロードするだけです。インストールする必要はありません。
起動してみると、エクスプローラー風の画面で、左側にフォルダ一覧が表示されます。
ファイル一覧を作成したいフォルダをクリックして、ファイルを表示させ、「一覧を保存」のボタンを押すと、「data.xls」というファイルの保存先を聞いてきますので、任意のフォルダを指定して保存します(私は、いつもデスクトップに保存してます)。
保存したエクセルファイルを開いてみましょう。
ちゃーんと、一覧表が出来ています!
名前、種類、サイズ、更新日時、フルパス が各列に表示されています。
このまま保存しておいても良いし、空白のセル(列)に、取引の参考となる情報を付加しておくと、検索がしやすくなります。
情報を付加しておくと、冒頭に記載した「可視性の確保」の条件
「取引年月日、勘定科目、取引金額その他のその帳簿の種類に応じた主要な記録項目による検索できること」
に適合できるようになります。
改正された電子帳簿等保存法に対応するため、税務会計を扱うベンダーさんも、いろいろと力を入れていますが、新たなシステムを導入するとなると、コストがかかります。
少し手間は掛かりますが、前回と今回紹介した方法でも、十分電子データ保存法に対応できます。
もう2年を切った電子データ保存の義務化。
ファイルを印刷して紙で保存という方法は認められません。あくまで原本(ファイル)保存!
何度も言いますが、今から準備しておかないと間に合わなくなりますよ。
こんにちは!大阪南船場の「お節介」税理士@野口たかしです。
世間は、GWに突入!
でも、私は暦通りに仕事しています(汗)
さて、本来であれば、今年の1月から電子帳簿等保存法が改正されて、電子取引データについては、法人・個人に関わらず、電子で取得した請求書や領収書については、「紙」によらず「データ」のまま保存しなければならないということに。
コロナ騒動で、そんな改正があったなんて知らなかった企業が多くて、企業によっては、データで保存しないといけないなら、紙の請求書に戻すという所もあり、年末になって、とても混乱する状況になっていました。
それが、令和4年の税制改正で、直前になって2年間の延期に。「やむを得ない事情がある場合は」という条件付きですが、届出等は必要ないので、実質的に延期です。
しかし、インボイスの導入が2年を切り、同じタイミングで電子データの保存義務が始まりますので、今から対策を練っておく必要があると思います。
そこで、今回は、データファイルを整理・保存する方法をご提案したいと思います。
取引先から送られてきた電子データ=ファイル(名)は、取引先によって記載が区々。
いつ送られてきたか探すのが大変となるケースがありますよね。
その場合、エクスプローラーを立ち上げて、ファイルの「更新日時」を見て確認しても良いですが、取引先がファイルを作成した日が請求日と異なっている場合があるので、やはり請求日(=記帳した日)でファイルを管理すべきだと思います。
私は、サラリーマン時代から、会議資料など多くの文章等を作成してきました。会議資料だと、課長や部長に説明するたびに、内容が修正されていきます。ファイル名を整理しておかないと、どのバージョンが最新かわからなくなってしまいます。
そこで、仕事のクセとして、ファイル名の「頭」に日付を付けて保存するようにしていました。
具体的には、取引先から請求書がPDFファイルで届いたら、
20220502_〇〇〇〇会社3月請求書.pdf
とします。
マウスで右クリックして「ファイル名の変更」を選んで日付を入力するだけです。
ファイル名の頭に日付を追記しておくだけでも、「あの時」の取引資料だ!と直感的に見つけやすくなります。
ただ、ファルダに、複数の取引先が混在、しかも大量のファイルが保存されていた場合、ファイルをきれいに並べ替えしておかないと見つけにくいです。
そのため、エクスプローラーを立ち上げて、複数のファイルを表示させたとき、エクスプローラーバーの「名前」をクリックしましょう。
「頭」に日付を付していると、自動的に日付順に並び変えくれます。
クリックするたびに、昇順、降順と切り替えて表示してくれます。
下の例は、私のパソコンのスクリーンショットのファイルを表示させています。
電子取引を行った場合、ただ単に電子取引データを保存すればよいという訳ではなく、一定の要件(真実性、可視性等)に従う必要があります。
まず、真実性ですが、「電子取引データが改ざんできないことを証明できるようにしておく」こと、また、可視性については、「電子取引データを検索可能な状態にしておく」必要があります。
さらに可視性については、イ)取引先・日付・金額での検索、ロ)日付・金額での範囲指定検索、ハ)2以上の任意の記録項目での組合せ検索、という3種類の検索が行えるようにしないといけないという要件があります。
税務調査があった場合は、調査官の求めに応じて、保存したファイルを速やかに提示できるようにしておく必要があるわけで、2年後の導入と言っても、今から準備しておかないと間に合わないことになります。ご注意ください!
いかがでしょう。ファイルを保存するたびに、名前を変更するのは面倒だという方もいるかと思いますが、クセの問題だと思っています。
人によっては、ファイル名を変えずに、デスクトップに保存している人がいます。デスクトップの画面いっぱいにファイルが散らばっていて、他の人が見たら、どこに何が保存されているかわからない。。。
これまで、請求書や領収書は、「紙」に出力してバインダーに閉じたり、紙に貼り付けたりして、整理していました。
それに比べたら、ファイル名に日付を追記する方が簡単だと思いませんか⁉
何度も言いますが、あくまでクセの問題です。
ぜひ習慣づけしていきましょう!
こんにちは、大阪南船場の「お節介」税理士@野口たかしです。
今日1月11日は、十日戎の残り福。
いつもなら、出店がいっぱい出るのですが、コロナ感染症対策のため、飲食関係の露店が出てなくて、寂しい限りであります。
さて、年が明け、いよいよ確定申告がスタート。
国税庁も、令和3年分「確定申告書等作成コーナー」を開設しています。
税理士の方も、これから忙しいシーズンを迎えます。
ということで、今回は、納税者の方でなく、税理士さん向けに、e-Tax(電子申告)のお話をしたいと思います。
ある先輩税理士さんから、代理送信するための設定方法がわからないので教えて欲しい!との電話がありました。
これまで先輩税理士は、マイナンバーカードでご自分の申告書を電子申告しかしておらず、今回初めて代理送信に挑戦するとのことでした(今までクライアントの申告は、すべて紙で申告書を提出していたそうです。トホホ・・。)
代理送信するためには、その旨の届け出と電子証明書の登録が必要となります。
実は、私も、これまで自分の申告にはマイナンバーカードを利用していて、税理士を開業して、税理士会の電子認証を使って代理送信できるようにしたかったのですが、その方法がわからず、ネット検索して、ある税理士先生のホームページを発見し、事なきを得ました。
そのときのことを思い出し、問い合わせのあった先輩税理士にもお教えすることができました。
その設定方法を詳しく書かれていたホームページですが、
名古屋の松野宗弘先生のホームページでして、非常に丁寧な解説をされています。
松野先生のホームページを引用させていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
代理送信をするためには、「電子申告開始(変更等)届出書」に「税務代理による利用の開始」欄にチェックをして提出する必要があります。
これまで自分の申告しか電子申告をしていなかった場合、そのチェックをしていなかったわけで、新たに「変更等届出」をしなければいけないわけです。
その方法については、松野先生のホームページに詳しく記載されているので、ご覧ください!
https://matsunotax.com/tax-accountant-electronic-certificate/
「変更等届出」を提出したら、税務署から、代理送信できる旨の通知が来ます。税務署も、届出を出した人が税理士かどうか確認をした上で、通知をだしているのだと思われます。
(私の場合は、3日後に税務署から封書で送られてきました。)
これで終わりかと思えば、今までマイナンバーカードを利用していた場合、税理士会の電子証明書に切り替えなければ代理送信できないわけです。
現在、税理士会の電子証明書は「第五世代」となっていて、第四世代の電子認証を利用されていた方も、第五世代の電子認証に切り替える必要があります。
その方法についても、松野先生のホームページに詳しく記載されています。
https://matsunotax.com/electronic-certificate/
以上、2つの設定を完了すれば、晴れて代理送信ができるようになります。
ご参考にしていただければ幸いです。
国税組織にいた私でも、知らないことがあり、恥ずかしい限りです。
国税庁では、 e-Taxのヘルプデスクを開設していますが、電話だと、なかなか理解しづらいです。
松野先生のホームページでは、実体験を踏まえ、画像付きで解説いただいていて、とても分かりやすく参考になりました。重ね重ねお礼申し上げます。
こんにちは、大阪南船場の「お節介」税理士@野口たかしです。
昨日のブログで、今年最後としていましたが、国家公務員の御用納めの日(12月28日)に、国税庁から「電子帳簿保存法」の通達等の発表がありましたので、急遽、ブログを更新することといたしました(汗)
令和4年度税制改正大綱で、電子帳簿保存法について宥恕規定を設けることが示されました。
これに伴い、令和3年12月27日、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令」が公布されました。(施行は令和4年1月1日)
内容的には、要は「やむを得ない事情があるときは、電子データによる保存に代えて、そのデータを出力したものを保存しても差し支えない」というもので、2年間の宥恕(令和5年12月31日まで)が認められています。
国税庁のホームページで発表されています。
・ 「電子帳簿保存法取扱通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sonota/kaiseir031227/index.htm
・ 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和3年12月)
https://www.kinzei.or.jp/wp/wp-content/uploads//2021/12/0021006-031_03.pdf
今回の改正で、「やむを得ない事情」について、どういった事情まで認められるのかが心配されていました。あくまで例外的な取扱いですから。
しかし、今回の「一問一答」を読んでみると、非常に柔らかい!?取扱いになっているのがわかります。
問41-2 当面、電子取引の取引情報に係る電子データ保存への対応が間に合いませんが、
どのような対応をすればいいでしょうか。
【回答】
令和4年度税制改正で経過措置として整備された宥恕措置を踏まえ、令和5年 12 月 31 日ま
でに行う電子取引については、保存すべき電子データを書面に出力して保存し、税務調査等の
際に提示又は提出ができるようにしておいていただければ差し支えありません。
なお、令和6年1月1日以後に行う電子取引の取引情報については要件に従った電子デー
タの保存が必要ですので、そのために必要な準備をお願いします。
ここからは私の推察ですが、2年先って、何が予定されていますか?
正確には、2年のちょっと前(3か月前)⇒令和5年10月)
そうなんです、消費税のインボイス制度が導入されます。
どういう関係があるかというと、現在、政府(デジタル庁)では、「電子インボイス」の導入を検討しています。B to Bの取引については、インボイスのやり取りを電子化することで、制度の定着、業務の効率化を狙っています。
電子インボイスこそ、全くペーパレスになるわけで、それを保存してもらう環境整備のために、今回の電子データ取引については義務化されたのだと思われます。
いずれにしても、宥恕の2年間で、電子データが保存できるように準備しておく必要がありそうです。
前回の電子帳簿保存法のブログ記事(★電子帳簿等保存法(電子取引データの保存義務化)は、2年間猶予で解決するの?)では、「やむを得ない事情があるときは税務署長の承認が必要」と記載しておりましたが、今回の改正で承認が省略されていますね。
一問一答を読んでみると、
「やむを得ない事情の有無や出力された書面については、必要に応じて税務調査等の際に確
認することとしており、事前に税務署への申請等をすることは必要ありません。」
となっています。
この取扱いは当然だと思います。
現在の日本のICTの発展状況や経済取引の実情を踏まえれば、電子データ保存の義務化は早急過ぎたのは明らか。
その責任を納税者に押し付けるようなことをしてはいけないと思います。
これって、菅政権から岸田政権に変わり、「聞く力」による成果でしょうか⁉
とりあえず、2年間のインターバルが設けられましたが、2年先、日本のICT事情はどうなっているのでしょうねぇ・・。ちょっと心配です。
こんにちは、大阪南船場の「お節介」税理士@野口たかしです。
最近、火事のニュースが多いですが、寒くなって空気が乾燥しているからでしょうか。(放火もありますけども・・。)
今日は、全国的に雨。これで、少しは乾燥が緩和されれば良いですね。
さて、今回は、SNSで話題になっている、電子帳簿等保存法の延期について書こうと思います。
以前ブログで、「★電子帳簿等保存法に違反すると罰せられる⁉」という記事を書きました。
それから2週間も経たないうちに、令和4年度の税制改正で、電子取引データの保存義務については、2年間猶予する(紙の保存を認める)との報道がありましたので、再度、私なりの考えや想いを述べたいと思います。
インターネットの記事を見てみましょう。
↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/bbaf5f5588d76260bffb7438e1c2b8e94ecc7093?s=09
この記事のポイントとしては、
・ 国税庁が求める検索要件に対応するには、ソフトウェアを導入するか手作業で対応しなくてはならず、中小企業にとっては負担が大きかった
・ 対応を避けるため、取引先から電子データではなく紙で書類をもらう動きもあるなど、電子化に逆行しかねない
・ 猶予については与党は税制改正大綱に盛り込み、年内に関連省令を改正するという。企業の申し出に応じて、税務署長が判断する
また、日経新聞の報道では、
・ 紙で経費処理している例がなお多く、システム改修が間に合わないとの声
・ 完全実施の先送りは、デジタル化が滞る日本の実情を映す
上記記事の中で、気になったことは、
「企業の申し出に応じて、税務署長が判断する」
⇒ 企業の申し出ということは、申請しないと2年間の猶予が認められないということ。
ちょっと待ってくださいよ、一方的に義務化したのに、企業に頭を下げさせる?
完全に「お上」がマウント取ってますねー。
いわば、鎖国時代のキリスト教迫害の「踏み絵」みたいなものだと・・・。
「システム改修が間に合わない」
⇒ システムの問題ではないと思います。
日本の商慣習として、まだまだ「紙」でのやり取りが多いわけです。その実態を無視して、電子データの義務化を導入しようとしたのに無理があると思います。
「デジタル化が滞る日本の実情」
⇒ デジタル化が滞っているのと、今回の義務化は関係ないと思います。
デジタル化は日本でも進んでいますよ。
それよりも、電子帳簿等保存法の法律の「建付け」が悪い(厳しい)だけなんです。財務省(国税庁)のキャリアさんが、「机上の理論」=経済取引の実態をわからずに、法律を作ってしまったのが原因かと。
以上、私の思いを述べてみました。
法律を作るときは、国民の声を反映させるため、事前に「パブリック・コメント」を募集しているはずなんです。
それなのに、電子帳簿等保存法については、なし崩し的に、導入前に改正が行われるという前段未聞の不始末だと思います。
私の推測ですが、この電子帳簿等保存法は、コロナ、コロナで、社会が大騒ぎしている間、国会で十分な議論や検討が行われずに、す、すーっと通った法律ではないかと。。。
是非、この猶予の2年間で、経済取引の事態に合わせた改正を行ってほしいと思います!
こんにちは、大阪南船場の「お節介」税理士@野口たかしです。
今日は久しぶりの雨。明日からは、相当寒くなるみたいですね。
会社の会計担当者は、11月になると憂鬱な時期になるのではないでしょうか?
社員の年末調整をしなければなりません。
平成30年度の税制改正で、所得金額調整控除という制度が創設されて、非常にややこしくなっていますし。
私もサラリーマン時代、年末調整の様式(エクセル)に入力していましたが、字が小さいし、これでホントに合ってるの?みたいな感じで、会計担当に渡していました。間違っていれば、担当者から連絡があり、訂正させられたり・・・。
会計担当も、従業員が多ければ、チェックも大変です。
さて、国税庁では、e-Taxや「確定申告書等作成コーナー」など、過去からICTを活用した施策に取り組んでおり、本年新たに、年末調整アプリの提供が開始されました。
当然、無料。
これからは税理士さんに頼まなくても、年末調整の手続ができるようになる!?
具体的な内容は、国税庁のHPをご覧ください。
↓
年末調整手続の電子化に向けた取組について
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm
アプリは、PCだけでなく、従業員に操作させることを前提に、スマホにも対応しています。
入力画面は対話形式になっていて、これなら従業員も簡単に、年末調整関係書類(データ又は紙)を作成できると思います。
また、マイナポータルと連携して、各種控除が自動で入力されます。
従業員が作成したデータを取りまとめる会計担当者用のメニューも用意されています。
丁寧なマニュアルもあるので、比較的導入は楽ではないでしょうか。
ただ、作成したデータから源泉徴収票を作成することまでは出来ず、ベンダーが販売している給与計算ソフトにデータを連携させることで源泉徴収票を作成する流れになってます。
例えば、「弥生給与」では、連携ツールが提供されています。
↓
年調ソフトを利用して年末調整をする場合は?
https://www.yayoi-kk.co.jp/lawinfo/nencho/nenchosoft.html
平成14年、私は国税庁に出向し、「確定申告書等作成コーナー」を開発しました。国税庁が初めて提供したアプリだと思います。
納税者に無料で提供するので、「税理士の業務(商売)を圧迫するのではないか」といった心配もあり、当時、税理士会に説明に行ったのが懐かしく思われます。お陰様で、今や、最強の確定申告アプリに成長しました!
あれから20年以上が経ち、年末調整まで無料でできるようになったということで、隔世の感があります。
今後も、マイナンバーカードの普及とともに、もっともっとICTサービスが充実されることを祈念しております。
こんにちは、大阪南船場の「お節介」税理士@野口たかしです。
以前、ある先輩から、大手会計システム会社が主催する研修会の講師をやらないか?とのオファーをいただき、企画書を提出。
昨日、その会社の担当者がご来訪され、企画書に基づいてプレゼンしたところ、お陰様で、研修講師の内定をいただくこととなりました。
税理士事務所を開業して3か月弱。小さなことからコツコツと頑張っていきたいと思っております。
さて、本日は、今話題の⁉「電子帳簿等保存法」について、皆様の誤解を解きたいと思います。
電子帳簿保存法は、令和4年1月1日からの適用。もうすぐなので、準備を急がれている方も多いかと思いますが、ちょっと気になる記事を発見。
あるブログに、以下の内容が掲載されてました。
↓
「電子帳簿保存法に違反するということは、正規の簿記に従わない記帳とみなされ、青色申告が取り消されることになります」
【上記記事に対するコメント】
1 電子帳簿保存法と一般的に言われてますが、「電子帳簿等保存法」の方が適切かと。
「等」が付いているのは、電子帳簿だけではなく、三つの保存が規定されているからです。
⓵ 電子帳簿の保存
⓶ スキャナによる保存
⓷ 電子取引データの保存
2 上記⓵~⓷に違反すると罰せられるわけではありません。
⓵と⓶
・ 任意(やってもやらなくてもよい
・ 適用すれば青色申告特別控除等について優遇措置はあります
⓷
・ 義務化されています
・ 電子取引をデータで保存しなければ、違反となります。
したがって、「電子帳簿等保存法に違反すると罰せられる」という表現だと、任意である⓵や⓶に抵触しても罰せられるとの誤解を招きかねません。
また、その記事では、「正規の簿記に従わない記帳」と書かれていますが、「正規の簿記」と、「電子取引データの保存」とは、直接的な関連性はありません!
こちらが、今、ツイッター等で話題になっている部分です。
国税庁が公表した「一問一答」には、
「電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、その電磁的記録を出力した書面等による保存をもって、当該電磁的記録の保存に代えることはできません。
したがって、災害等による事情がなく、その電磁的記録が保存要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消対象となり得ます」
と記載されています。
えぇ~って感じです。ツイッターにも、様々な意見が。
・ あと2か月しかなく準備が間に合わない
・ 面倒だから、すべて紙に戻そう
・ ちゃんと記帳しているのに、取引データを電子的に保存していないだけで青色取消しって厳しすぎる
などなど。
ちょっと現場を無視した「義務化」ではないかと・・。
でも、ご安心ください!
先日、国税庁の一問一答が追加(訂正?)されました。
【補足説明】
電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務に関する今般の改正を契機として、電子データの一部を保存せずに書面を保存していた場合には、その事実をもって青色申告の承認が取り消され、税務調査においても経費として認められないことになるのではないかとの問合せがあります。
これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにも関わらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。
納税者や税理士から、相当数の問い合わせが国税庁にあったようです。
ただ、義務化って何?ちょっと「なし崩し」的な感じもいたしますが、これでひとまず現場の混乱は収まりそうです。
法律を作っているのは財務省主税局で、法律を作る前には、関係省庁とヒアリングを行っています。
私が国税庁にいたときは、e-Tax(電子申告)普及のため、電子申告控除制度の創設に携わり、国税庁は現場の代表として意見を述べさせていただきました。
机上の理論だけでなく、やはり現場の意見を踏まえた上で法律改正しないと、今回のような混乱を招くことになるかと・・。
ただ、電子帳簿等保存法は、今後の業務の効率化に資する法律だと思っていますので、これからも使いやすい法律に改正されることを祈念する次第です。