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こんにちは、大阪南船場の「お節介」税理士@野口たかしです。


この2週間ほど、ブログの更新が滞っておりました。

というのは、ある税理士先生からクライアント(個人)の申告のお手伝い(で、1年間の記帳入力を全集中でやっていたのと、近畿税理士会が主催する「確定申告コールセンター」に申し込み、納税者の相談を電話で答える仕事に従事していたため、なかなかブログを更新する時間、というか心に余裕が無かったわけです。


さて、私が従事した「確定申告コールセンター」ですが、この仕掛け、実は、私が国税庁にいたときに考え出したもので、税理士になったら、私自身が体験しないといけないと思い、申し込みました。


ということで、このコールセンターって、どんなものか、今回はご説明したいと思います。


税務署に電話したら、コールセンターに繋がります


確定申告の時期(1月14日~3月15日)、税務署に電話すると、自動応答のガイダンスが流れ、確定申告のご相談「0」を選択すると、確定申告コールセンターに繋がるようになっています。


2022-02-14 (2)



コールセンターの構成


コールセンターは、各国税局と税理士会が共催で運営しています。

確定申告期は、非常に多くの電話が架かってきますので、特別の体制を組んでいます。


・ 最初に電話を受けるオペレータ

> 国税局が臨時に設置した会場(非常勤職員)

⇒ 相談会場がどこで開設しているのか、確定申告期限など簡単な相談は、非常勤職員が対応しています。


・ 所得税(譲渡所得を含む)、贈与税、個人の消費税の相談

> 国税局税務相談室(相談官)

> 税理士会が臨時に設置した会場(税理士)

⇒ 具体的な申告方法や税法に関する相談の場合、オペレータ(非常勤職員)から転送されてきます。

1日中、ほぼ満杯状態で電話が架かってきますので、相談室・税理士会の区分なく対応しています。


・ e-Tax、作成コーナーヘルプデスク

> コールセンターからヘルプデスクへ転送

⇒ 簡単な操作方法はコールセンターでも対応してますが、対応しきれない場合は、国税庁が開設しているヘルプデスクに転送します。



コールセンターで苦労すること


実際に従事してみて、大変だなと思ったのは、電話だと、納税者の方が見ている書類や、実際に操作している画面も見れないため、何度も聞き取りをしないと、相手が欲している回答ができないということです。特に、「作成コーナー」の操作に関する相談は苦労します。


例えば、作成コーナーを操作している方からの電話

「この画面の3番目に何を入力したら良いのか?」

と言われても、こちらは、「この画面」がわからないわけです。

そのため、順を追って、どこの画面を見ているのか、何度も聞き取り、相談従事者(私)のパソコンを操作して「同期」を取る必要があります。


こちらが何度も聞き取っていると、「なんでわからへんのや!」、「アナタでは話にならない。担当者を代えろ!」とブチ切れる人もいます。

この場合、「あなたが見ている画面が分からなければ、いくら質問されてもお答えすることができないので、何度も聞いている。ご協力ください」と丁寧に丁寧に説明させていただいてます。


その結果、「同期」が取れて、問題が解決したら、「ありがとうございました!」と喜んでいただける方がほとんどなんですけども・・。



国税経験者からひと言


私が考案した「確定申告コールセンター」は、平成16年2月、名古屋局、関東信越局、仙台局で試行したのが始まり。その後、税理士会の協力を得て、現在の形になりました。

実際に従事してみると、所得税だけでなく、譲渡所得や贈与税など、いろんな相談が飛んできますので、私自身の勉強になります。


ただ、「苦労すること」で書いたように、なかなか相手と同期が取れない場合は時間が掛かりますし、精神的にも疲れます。

また、9時~17時(1時間休憩あり)まで、矢継ぎ早に電話が架かってきますので、1日従事すると結構疲れます。(連続で従事されている税理士先生もおられ、敬服いたします。)


昔はコールセンターが無く、税務署で対応していて、電話が鳴りっぱなしであったことを踏まえると、今、税務署の担当者は、随分楽になったものだとしみじみ思いますね。