【お問い合わせ】 E-mail:nog-tax@grupo.jp |
こんにちは、大阪南船場の「お節介」税理士@野口たかしです。
コロナ感染、あれよあれよと拡大してきました。
いよいよ、大阪も、まん延防止措置に移行することに。
税務署では、還付申告される方が多く来署され、すでに確定申告モードに入っていますが、これだけコロナ感染者が増えてきますと、相談会場でクラスターが発生しないか心配であります。
さて、ブログも、確定申告の時期というおとで、「所得税」のネタが続いています。
今回は、所得税の確定申告書の様式について、お話したいと思います。
既に、国税庁HPには、令和3年分の確定申告書の様式が掲載されています。
その様式を見ると、金額欄以外に、各項目の横に「区分」という記載欄が多数設けられています。
昔は、そんな欄は無かったと思いますが、税制改正等により税法が複雑化して、区分欄が増えたものと思われます。
ちなみに、平成27年分と令和3年分のB様式を比べてみますと、
平成27年分の区分欄の数・・・7
令和3年分の区分欄の数・・・18
なんと、6年間で、11も区分欄が増えています!!
それぞれの区分欄には、何を書けば良いのでしょう?
国税庁HPには、「確定申告書の書き方」というパンフレットが掲載されていて、各所得や所得控除の解説があります。その中に、区分欄の記載もありますが、文字が小さくて、探すのも大変!
と思っていたら、Twitterでお世話になっている「鈴木まゆ子」先生が、区分欄をまとめた記事をアップしてくださいました!
「確定申告書の「区分」、何を書けばいいの?手書きの人向けに徹底解説!」
https://kaikeizine.jp/article/28546/
これを見れば、一目瞭然!
鈴木まゆ子先生、ありがとうございますm(__)m
納税者の方だけでなく、税理士先生も参考になるのではないでしょうか。
なぜ区分欄が設けられたのでしょうか。
税法が複雑化したのであれば、新たに別表を追加して、そこに記載させるという方法もあります。
しかし、別表を追加すると、
枚数が増える ⇒ 入力の手間が増える
ということになります。
確定申告は、2月16日から3月15日が申告期限。1か月の間に全国で2000万件以上の申告書が提出されます。
税務署では、相談のほか、提出された申告書を定めらた期間内に入力しなければいけません。
別表を追加すると入力事務量が増大。もし入力が遅れれば、還付金の支払いや振替納税に影響が出てしまいます。
そのため、確定申告書(第1表)のA4(1枚)という限られた面積に、できるだけ多くの情報を詰め込む⇒区分欄を設けるという苦肉の策を考えたと思われます。
区分欄は、複雑化した税法に対応するために設けられたものですが、よく見ると、申告内容を事前にチェックするために設けられたものが見受けられます。
次の区分欄は、海外投資をしている富裕層や、仮想通貨の取引をしている人に対するけん制効果と、事後の調査に役立てるために設けられたものと思われます。
不動産の「区分1」欄
・・海外資産に係る不動産所得に赤字がある場合の特例(措法41の4の3)の適用がある場合(他の所得と損益通算できない)
雑(その他)の「区分」欄
・・暗号資産取引に係る収入がある場合
また、
事業(営業等・農業)の「区分」欄、不動産の「区分2」欄
・・2年間宥恕された「電子帳簿保存法」の適用状況が把握できるようになっています。
私が国税庁で「確定申告書等作成コーナー」を開発していたのは平成14年~15年。その頃は、区分欄なんで無かったような気がします。それだけ、税法が複雑になったわけですね。
しかし、「確定申告の手引き」を読んで、手書きで申告書を作成するのは至難の業だと思います。もうパソコンかスマホ使わないと申告できない時代になったと言えるのではないでしょうか。
最後に、鈴木まゆ子先生がまとめられた記事は、各区分欄の画像を貼り付けて非常に丁寧に解説されており、とても参考になりました。
改めまして、感謝申し上げます。m(__)m