【お問い合わせ】 E-mail:nog-tax@grupo.jp |
明けましておめでとうございます。
令和4年最初のブログであります。
年が明けると、いよいよ所得税の確定申告が始まります。
サラリーマンなど還付申告については、1月4日から税務署で受付を開始してます。
また、ご事業をされている方については、2月16日~3月15日が申告期間となります。
ご事業をされている方にとって、確定申告は一大行事!?
早めに準備しておくことが肝要です。
しかし、確定申告をするためには、決算書(収支内訳書)を作成して、1年間の所得を算定しなければいけません。
そのためには、日々の記帳が大事になりますが、法人と違って、個人事業の方は、生活費と表裏一体になっているので、事業用と生活費用に区分して記帳するのは大変だと思います。
特に、青色申告決算書を作成して、55万円(65万円)の特別控除を受けるためには、複式簿記による貸借対照表の作成が必要となります。
今回は、フリーランスの方を中心に、現金を事業用として別に管理してなくても、複式簿記ができる裏技!?を紹介したいと思います!
青色申告決算書の4枚目に、貸借対照表を記載するページがあります。
そこを見ていただくと、下欄の左に「事業主貸」、右側に「事業主借」が記載されています。
この「事業主勘定」は、個人固有のもので、個人事業主がプライベートで使ったお金と、事業の必要経費とを明確に区分して記帳することで、所得税を正しく計算できるようにするために設けられた勘定科目です。
では、どういったものが、事業主借・事業主貸になるのか見ていきましょう。
「個人のサイフから、事業用の資金を借りる」と覚えてください。
個人(プライベート)の財布から、事業用の経費を支払った場合に、「事業主借」として記帳します。
例えば、
・ 110円の消耗品を現金で購入した場合
(借方)消耗品 110 (貸方)事業主借 110
いかがでしょう、今は、電子マネーなど、いろんな支払方法がありますが、一括して「事業主借」で処理できてしまいます。
「事業用のお金を、個人に貸す」と覚えてください。
事業用で管理しているお金を、個人用(プライベート)の支払いに使う場合に、「事業主貸」として記帳します。
例えば、
・ 事業用の現金で、110円の生活用品を購入した。
(借方)事業主貸 110 (貸方)現金 110
でも、フリーランスの方は、そもそも事業用の現金を別管理していません。
なので、上記のような仕訳は行わないと思います。
では、どういった時に、事業主貸を使うのか。
・ 売上10万円を、現金で受け取り、そのお金を個人用のサイフに入れた。
本来の仕訳は、
(借方)現金 100,000 (貸方)売上 100,000
(借方)事業主貸 100,000 (貸方)現金 100,000
となるわけですが、事業用の現金を別管理していないので、振り込まれた預金を、即、プライベートの財布に入れたことにして、
(借方)事業主貸 100,000 (貸方)売上 100,000
と、1行で仕訳をすることといます。
※ 「事業主貸」の説明に関して、読者から内容に間違いがあるとの指摘がありました。訂正してお詫び申し上げます。
上記のように事業主勘定を使えば、現金出納簿を用意する必要はなくなります。
売上代金の現金受取や、費用の現金出金ごとに、わざわざ現金出納簿を作成するよりも、全て事業主にしてしまった方が断然に楽です。
フリーランスの方にとって、消耗品費や雑費、交際費といった日々の支払いのために、事業用の財布を用意するのは、現実的ではないと思われます。
一部の科目(仕訳)を除き、事業主勘定を多用すれば、現金出納簿を作成してなくても、立派に「複式簿記」を作成していることとなり、青色申告特別控除(55万円又は65万円)を適用した節税が可能となります。
税務調査の際には、必ず現金出納簿を確認します。
帳簿に記載された現金残高と、実際にある現金を確認して、それが合ってなければ、真正な帳簿とは言えなくなり、1円でも違っていたら、それを根拠に「申告額に信憑性がない」と責められる可能性があります。
しかし、ご商売されている方は、お仕事がをしながら、日々の記帳も行わなければならず、現金を合わせるだけでも大変だと思います。
なので、フリーランスの方でなくても、事業主勘定を活用し、出来るだけ記帳を簡素化するのがオススメかと思います。
令和3年分の確定申告がいよいよ始まります。
今年は間に合わないという方は、令和4年分の申告に向けて、複式簿記にチャレンジしましょう。
青色申告特別控除は、損益計算書のみの場合は10万円、貸借対照表も作成している場合は最大65万円の控除。その差額は55万円と、節税効果は大きいです。
《最後にPR》
当事務所では、個人事業者の方の申告をサポートしています。
駆け込みでも結構ですので、ご連絡いただければ、申告書の作成をいたします。
ぜひ、お早めにご一報ください!