本日 169 人 - 昨日 199 人 - 累計 110746 人

★インボイス制度⓺ 免税事業者に係る仕入税額控除の特例

こんにちは、大阪南船場の「お節介」税理士@野口たかしです。


昨日は、淀川花火大会に行ってきました。

「行きはよいよい帰りは怖い」のごとく、凄い観客で、退場規制と、最寄りの駅まで大行列で、帰るのに1時間以上掛かってしまいました。

でも、真下から見る花火は、迫力が全然違いました!それも、YOASOBIやミスチルの曲にのせて、花火が四方八方に打ち上げられたのは圧巻でありました。


また、今日は日曜日ですが、記帳指導を行いました。

まだ開業したばかりの納税者でしたが、会計ソフト「freee」を使って、真面目に記帳をなさっておられました。

記帳指導を行うのは初めてですが、今後も、いろんな経験をしていきたいと思っております。


さて、インボイス制度のシリーズも6回目となりました。前回は、免税事業者問題を取り上げましたが、今回は、インボイス制度導入に伴う「激変緩和措置」について解説したいと思います。



インボイス導入でも、免税事業者との取引で仕入税額控除が受けられる


免税業者から請求書が送られてきました。

その請求書には、「登録番号」が記載されていない。

ということは、仕入税額控除が出来ない。それが原則であります。


しかし、インボイス制度が導入されて6年間は、激変緩和措置として、免税事業者との取引でも、仕入税額控除ができる制度が設けられています。


具体的には、以下のとおりです。


画像



免税事業者との取引において仕訳はどうしたら良いの⁉


上記、特例措置により仕入税額控除を受ける場合、どのように仕訳をすれば良いでしょう?

80%又は50%しか仕入税額控除が受けれないわけですから、その分の消費税が「損」となります。


実際に具体例をお示ししましょう。


《仕訳例》

イ 免税事業者から、11,000円の消耗品を現金で購入


例1)

消耗品費   10,200 / 現金 11,000 摘要:80%控除対象

仮払消費税   800


「摘要」欄に記載する代わりに、を表示してもよい(注記に「は80%適用対象」と表示)


例2)

<期中処理>

消耗品費 10,000 / 現金 11,000 

仮払消費税 1,000

<決算処理>

雑損失   200 / 仮払消費税 200


ロ 免税事業者から、440,000円の備品を掛で購入


備品 408,000 / 買掛金 440,000

仮払消費税 32,000

※ 減価償却資産については、控除できない20%分は資産の取得価額に含めることとなります。



免税事業者から仕入れた棚卸資産の取扱いは⁉


免税事業者から仕入れた商品(棚卸資産)については、現行でも、調整措置があります。

インボイス制度が導入された場合も、同様の調整措置(6年間の経過措置)が令和4年度の税制改正で既定されました。


(令和4年度税制改正)

インボイス移行に係る免税事業者等からの仕入れに係る経過措置の期間(令和5年10月1日~令和11年9月30日)において、免税事業者から課税事業者となる場合に、その免税事業者であった期間中に免税事業者等から行った仕入れに係る棚卸資産についても、その消費税額の全額を仕入税額控除できる。

(改正前)仕入先が免税事業者の場合、80%(50%)の調整が必要

(改正後)仕入先が免税・課税事業者問わず、全額仕入税額控除



編集後記


やはり、インボイス制度が導入されると、免税事業者との取引については、ややこしくなりますね。

SNSを見ていると、

・ インボイス制度を導入するよりも、免税制度をやめたらどうか

・ インボイス制度導入で、事務処理の負担が増加

・ 3万円未満の取引すべてについて、インボイスを不要にして欲しい

といった意見が散見されます。


現在、国税庁のHPに、「インボイス制度」の特集ページが設置され、毎月、Q&A(一問一答)が更新されていますが、中には、会社等の経理処理にそぐわない回答も見受けられます。

インボイス制度が円滑に導入されるためには、これまでの日本の商習慣に沿ったガイドラインを策定してほしいと思いますが、いかがでしょうか・・。