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おはようございます。
オリンピックも終わり、今日は終戦記念日。
まだまだ暑いですが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
ブログは、これまで「無料DX講座」をシリーズでアップしてきましたが、そろそろ「税金」ネタに戻ろうかと・・(笑)
6月に定額減税が実施され、会社の経理担当や税理士の皆様も、ひとまず落ち着いたところではないでしょうか。
一方、市町村の職員は、まだまだ落ち着かないようです。
そうなんです、定額減税が引ききれない方には、前年(令和5年分)の所得から推計した定額減税額が4万円以下になる人に対しては、その引ききれない額を「給付」することとなっており、その通知や振込み等の作業で大変ご苦労されているのではないかと思っております。
ということで、今回は、その「給付金」の制度について、お話させていただきたいと思います。
定額減税は、6年分の所得について適用されるわけですが、毎月の給料が少なくて、5年分の所得税と地方税の合計額が4万円以下の場合、市町村から、その不足額を6月以降に支給するという、二段階の制度となっています。
市町村の各ホームページには、制度の概要が掲載されてますが、説明のボリュームが異なっていて、分かりづらい市町村もあります。
ネット検索したところ、非常に詳しく丁寧に記載いただいているのは長岡市だと思いました。
https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate94/adjustment.html
長岡市のホームページの説明を切り取らせていただきました。
ここで注意したいのは、
・ 給付金の算定は、5年分所得から推計した税額から算定
・ 引ききれない金額に1万円未満の端数があった場合、1万円単位に切上げ
という点です。
この「1万円未満の端数」というのは、例えば、引ききれない金額が20,001円だとしましょう。この場合の給付金の金額は、30,000円になるということです。
え~っ、「大盤振る舞い」ですよね!
給付金が5年分の所得から推計して計算している、ということは、6年分の所得で計算した実際の定額減税の額とは異なることとなります。
例えば、5年分は所得が低くて給付金対象となったが、6年分は所得が増加して定額減税対象(つまり、引ききれない額が無くなった)となった場合、その給付金と定額減税に差額が生じることとなります。
逆に、6年分が5年分より所得が下がる場合も、差が生じてしまいます。
まず、6年分が5年分より所得が下がった場合、長岡市のHPには、次のように記載されています。
「令和6年分所得税額が確定し、給付不足がある場合は、令和7年度以降に追加給付予定です。」
⇒ そりゃ、当たりまえですよね、不足するんだから、追加してもらわないと!
次に、5年分より6年分の所得が増加して、定額減税対象(源泉徴収で定額減税できた)となった場合、長岡市のHPの「よくある質問」に記載されています。
⇒ え~っ、返還しなくて良いの⁉
1万円単位の端数切上げといい、なんて「大盤振る舞い」なんだ!
この返還しなくて良い点については、新聞記事でも「定額減税、二重取り!」として取り上げられています。
鈴木財務大臣は、「自治体の事務負担を考慮した」として、二重取りを認めています。https://www.tokyo-np.co.jp/article/339817
私のクライアントから、「従業員で、給付金の通知を受けた人がいるのですが、年末調整で精算する必要がありますか?」という質問を受けました。
当初、そりゃ精算するのでしょう!と回答しましたが、よくよく調べたら、「精算も、返還もなし!」というのが分かり、回答を訂正。
今回は、実際に私が経験したことをベースに紹介させていただきました。
しかし、定額減税と言っておきながら給付もする、という面倒な制度。誰が考え出したのでしょう?最初から「給付」だけで良かったのでは⁉
例えば、マイナンバーカードにポイントで給付すれば、マイナンバーカードの普及と経済効果の一石二鳥になったのではないでしょうか。
岸田総理が「増税めがね」と言われたので、なんとしても「減税」の文字を入れたかったのでしょね。。。でも、次期総裁選には出ないと発表・・・。
いずれにしても、市町村の職員の皆さんのご苦労が偲ばれます。頑張ってください!