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おはようございます。

勢力の強い台風10号が近づいています。

歩みが遅いようで、本州には週末に接近⁉

私のブログも、歩みが遅いようで、申し訳ございません(^^;


さて、定額減税。企業の方は、年調減税までは落ち着いているのではないでしょうか。

一方、個人事業者の方は、事業専従者の問題が解決されていませんでした。

その問題とは、事業専従者は、定額減税を受けることができるのか、できないのか。

今回は、その点について解説したいと思います。



国税庁のQ&Aを見ると・・。


国税庁の「定額減税Q&A」(令和6年8月改訂)を見ると、事業専従者は、定額減税の対象とならないと書かれています。

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つまり、専従者給与が「年収103万円以下」の場合、所得税額が0円になるため、定額減税の対象外となってしまうということです。

※「年収100万円以下」の場合は、住民税の定額減税も対象外となってしまいます。


逆に、専従者給与が少しでも103万円を超えると、定額減税の対象となる。それって、おかしくないですか?矛盾する不公平な制度だと思います。


一部のネット記事では、定額減税を受けるため、今年だけ専従者給与を103万円を超える額に変更するという方法が記載されていました。

また、国会で主税局長だったと思いますが、「事業専従者については、税の優遇を受けていることから、定額減税の対象としない」といった答弁をしていたと記憶しています。



日本共産党が国会で追及


この矛盾点について、かねてから日本共産党が国会で追及していて、私も注視していました。

で、全国商工団体連合会のHPで、事業専従者も定額減税(調整給付)の対象となるとの記事が掲載されました。

業者婦人など白色事業専従者と、青色事業専従者の一部が定額減税の対象外となっている問題で、内閣府は5月28日、参院財政金融委員会で「事業専従者を含めて、制度上、本人としても扶養親族としても定額減税の対象とならない場合などに適切に給付金で対応する」と答弁しました。日本共産党の小池晃議員の質問に答えたもの。

(中略)

小池議員は「定額減税で、中小業者の配偶者など白色申告の事業専従者、青色申告の事業専従者の一部が対象外となっている。中小、小規模事業者は経理担当を置く余裕もなく、事業者の家族、配偶者などが担っている。政府は国民に還元するというならば、煩雑な実務を担っている業者婦人などを排除せず、給付金などで対応すべきではないか」とただしました。

内閣官房の事業企画室次長は「定額減税し切れないと見込まれる方への調整給付は、6月以降、減税し切れないと見込まれる、おおむねの額を給付していく」とし、「当初の見込みと異なるなど減税や給付が十分でない場合には、減税額が確定する令和7(2025)年に不足分を給付する。この定額減税し切れないと見込まれる方への調整給付は、事業専従者を含め、制度上、本人としても扶養親族としても定額減税の対象とならない場合などに適切に給付金で対応することができるよう、来年に向け準備を進める。(給付金の額は)1人当たり4万円」と答弁しました。



内閣官房のホームページを見ると・・・


この答弁を受け、内閣官房のHP「よくあるご質問」も改訂されていました!

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/benefit2023/FAQ/index.html#Q25

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この記載を見ると、「扶養親族等としての定額減税の対象にも制度上含まれない事業専従者」となっていて、法律では対象者から漏らしていたけど、救済するということなんでしょうね。


あと、「具体的な給付時期や申請にあたって必要となる書類は、お住まいの市区町村にご確認ください。」となっていって、各市町村での通知方法や給付方法等については、まだまだこれからという感じです。



ある市町村のホームページを見ると・・・


市町村のHPで、周知されているか調べてみました。

ほとんどの市町村では、まだ周知が行われていないようです。前回紹介した長岡市のHPにも、まだ記載がありませんでした。


頑張ってググってみたら、亀岡市のHPに記載がありました!

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「(6/28追記)」に書かれていますが、まだ具体的な給付方法等は決まっていないようです。


いずれにしても、これまで懸念されていた事業専従者の定額減税については、ようやく決着がつき、給付対象に。めでたし!めでたし!といったところです(^^)/



編集後記


国税庁HPの「定額減税Q&A」は、8月の改訂版においても、法律にしたがって、「事業専従者は対象とならない」との記載のまま。

それって、行政の「縦割り」の象徴では⁉

国民にとって、国税であろうと住民税であろうと、同じ「税」なわけです。国と地方が一体となって制度を周知すべきだと思うのですが・・。


あと、国税は、企業等による源泉徴収に依存していて事務量は発生していません。

一方、市町村は、この新たな救済措置により、申請受付や給付事務が追加されます。

ほんと、市町村の職員の皆様方、お体を大切に、頑張ってください!




おはようございます。

オリンピックも終わり、今日は終戦記念日。

まだまだ暑いですが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?


ブログは、これまで「無料DX講座」をシリーズでアップしてきましたが、そろそろ「税金」ネタに戻ろうかと・・(笑)


6月に定額減税が実施され、会社の経理担当や税理士の皆様も、ひとまず落ち着いたところではないでしょうか。

一方、市町村の職員は、まだまだ落ち着かないようです。

そうなんです、定額減税が引ききれない方には、前年(令和5年分)の所得から推計した定額減税額が4万円以下になる人に対しては、その引ききれない額を「給付」することとなっており、その通知や振込み等の作業で大変ご苦労されているのではないかと思っております。


ということで、今回は、その「給付金」の制度について、お話させていただきたいと思います。



まず、給付金制度について、理解しましょう


定額減税は、6年分の所得について適用されるわけですが、毎月の給料が少なくて、5年分の所得税と地方税の合計額が4万円以下の場合、市町村から、その不足額を6月以降に支給するという、二段階の制度となっています。


市町村の各ホームページには、制度の概要が掲載されてますが、説明のボリュームが異なっていて、分かりづらい市町村もあります。

ネット検索したところ、非常に詳しく丁寧に記載いただいているのは長岡市だと思いました。

https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate94/adjustment.html


長岡市のホームページの説明を切り取らせていただきました。

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ここで注意したいのは、

・ 給付金の算定は、5年分所得から推計した税額から算定

・ 引ききれない金額に1万円未満の端数があった場合、1万円単位に切上げ

という点です。


この「1万円未満の端数」というのは、例えば、引ききれない金額が20,001円だとしましょう。この場合の給付金の金額は、30,000円になるということです。

え~っ、「大盤振る舞い」ですよね!



給付金を受け取った人は、6年分の定額減税が確定した後、精算するの⁉


給付金が5年分の所得から推計して計算している、ということは、6年分の所得で計算した実際の定額減税の額とは異なることとなります。


例えば、5年分は所得が低くて給付金対象となったが、6年分は所得が増加して定額減税対象(つまり、引ききれない額が無くなった)となった場合、その給付金と定額減税に差額が生じることとなります。

逆に、6年分が5年分より所得が下がる場合も、差が生じてしまいます。


まず、6年分が5年分より所得が下がった場合、長岡市のHPには、次のように記載されています。

「令和6年分所得税額が確定し、給付不足がある場合は、令和7年度以降に追加給付予定です。」

⇒ そりゃ、当たりまえですよね、不足するんだから、追加してもらわないと!


次に、5年分より6年分の所得が増加して、定額減税対象(源泉徴収で定額減税できた)となった場合、長岡市のHPの「よくある質問」に記載されています。

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⇒ え~っ、返還しなくて良いの⁉

1万円単位の端数切上げといい、なんて「大盤振る舞い」なんだ!


この返還しなくて良い点については、新聞記事でも「定額減税、二重取り!」として取り上げられています。

鈴木財務大臣は、「自治体の事務負担を考慮した」として、二重取りを認めています。https://www.tokyo-np.co.jp/article/339817



編集後記


私のクライアントから、「従業員で、給付金の通知を受けた人がいるのですが、年末調整で精算する必要がありますか?」という質問を受けました。

当初、そりゃ精算するのでしょう!と回答しましたが、よくよく調べたら、「精算も、返還もなし!」というのが分かり、回答を訂正。

今回は、実際に私が経験したことをベースに紹介させていただきました。


しかし、定額減税と言っておきながら給付もする、という面倒な制度。誰が考え出したのでしょう?最初から「給付」だけで良かったのでは⁉

例えば、マイナンバーカードにポイントで給付すれば、マイナンバーカードの普及と経済効果の一石二鳥になったのではないでしょうか。


岸田総理が「増税めがね」と言われたので、なんとしても「減税」の文字を入れたかったのでしょね。。。でも、次期総裁選には出ないと発表・・・。

いずれにしても、市町村の職員の皆さんのご苦労が偲ばれます。頑張ってください!


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